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太田切川
【おおたぎりがわ】


上伊那郡宮田村・駒ケ根市を流れる1級河川。流長14.824km。駒ケ岳山頂東より流出し,ほぼ東流して駒ケ根市街地の北東で天竜川に注ぐ。上流は駒ケ岳より流出する黒川と宝剣岳千畳敷カールより流出する中御所川などに分かれ,このうち中御所川と太田切川が駒ケ根市と宮田村の境界をなす。黒川との合流点より上流は深い浸食谷を形成し,千畳敷カールへの登山路とロープウエーは断崖と浸食谷に沿う。黒川との合流点付近よりは木曽山脈中を流れ,東方天竜川に向かって一大扇状地を形成する。河床は木曽山脈より流出した大小の花崗岩の礫が堆積し,荒れ川の様相をよく示す。太田切川の北方には犬田切・小田切,南方には中田切・与田切など田切の名称の川が多い。扇状地や火山泥流堆積面を浸食した氾濫原を利用した水田地があり,川を越える交通路がこの氾濫原の水田を横切るところから田切と名付けられた。上伊那郡の方言は,太田切川を境に南北で異なる。太田切扇状地の扇頂部は標高700~800mの駒ケ根高原と呼ばれ,名刹光前寺をはじめ,近世豪農の建物,旅館・キャンプ場などがあり伊那盆地最大の観光地をなす。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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