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天生峠
【あもうとうげ】


吉城(よしき)郡河合村天生と大野郡白川村萩町との村境にある峠。ソウレ山と籾糠(もみぬか)山の鞍部で標高1,290m。開設は江戸後期と思われるが不詳。「国中案内」には「天生通」として「天生より萩町村へ四里の余之れ有り,此間皆峠にて殊の外悪敷道筋より,歩行人さては牛足より外に,馬駕籠通り難く候」とある。天生との標高差が700m,萩町との標高差が800mもあり,国道360号が急峻な山腹をつづら折りに走っている。頂上付近に高層湿原があってミズバショウ・ホロムイソウ・ヒメシャクナゲの大群落で知られ,ブナ・カツラ・ダケカンバの原生林が生い茂る。白山連峰の雄大な展望,紅葉の映える渓谷美,高滝・木滝・匠の滝などの懸瀑もみられる。泉鏡花の「高野聖」で知られる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7603761