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大江川
【おおえがわ】


俗に百八里(ひやくやさと)江といった(新撰美濃志)。県南西部,海津郡平田町今尾に高須輪中を南下,同郡海津町内記(ないき)で同町松の木に発する東大江川を合わせ,同町南端で揖斐(いび)川に合流する。東大江川合流点までを西大江川ともいう。延長14.5km(河川法区域延長約13km)。古く木曽川は瀬古・境方・鹿野(かの)の北側を通り内記・五丁へ流れ,14世紀ごろ旧高須輪中と秋江輪中ができてその境となった。天正14年の洪水で木曽川は現在の流路に変わった。江戸期に本阿弥(ほんなみ)・帆引(ほびき)・福江・金廻(かなまわり)など低湿地を開墾し輪中が形成されていく中で,揖斐川の逆水が大江川近辺の新規輪中に被害をもたらした。それぞれ独自の水防にあたってきたが,大江川河口に閘門を設けてから共同で水防に当たるようになり,輪中が複合して現高須輪中の成立を見た。さらに明治前期に樋管や閘門を,後期に小排水機,大正末からは川の改修・排水機の改良,昭和25年頃より強馬力排水機の設置などにより完全排水が可能となって,地域一帯は安定した穀倉地となった。現在大江川は輪中内の悪水処理排水路としての役割を果たしている。また,かつてはコイ・フナ・ナマズなどの淡水漁業も盛んであったが,最近内記・石亀で珍しい無核淡水真珠が養殖されている。この養殖は同40年ごろより開始されたが,滋賀県近江八幡より池蝶貝を仕入れ(5月~9月),2~3年の養殖ののち出荷される。出荷は1~3月で神戸方面へ送られる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7603787