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曽根坂
【そねざか】


熊野街道の曽根浦と二木島浦を結ぶ峠越えの山坂道。峠は陸地測量部の明治44年測量では標高319mである。「紀伊続風土記」は「曽根の方よりの登りを曽根次郎と云ひ 此方(二木島)よりの登りを曽根太郎といふ 峠を以て村境とす 当村より頂まて四十町坂路甚嶮なり 書紀に所謂荒坂は即此坂なるへし」と記している。曽根太郎坂に一里塚が置かれていたことを元禄年間頃の絵図による天保7年の文書で知ることができる。「曽根浦の曽根太郎茶屋」という「尾鷲市史」の記述からは「紀伊続風土記」とは反対に曽根浦側が曽根太郎,二木島浦側が曽根次郎ということになる。明治13年,熊野街道が矢ノ川(やのこ)峠を通る道に変更され,以後,この道は寂れた。現在も,幅員1.5m未満の山道のままである。昭和34年の国鉄紀勢本線全通時に開通した曽根トンネルは曽根坂の下を長さ2,933mで抜けている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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