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藻川
【もがわ】


伊丹(いたみ)市,尼崎市東部を流れる川。流長4,800m。伊丹市森本で猪名川から分流し,尼崎市内に入り,南東流して高田町で再び猪名川と合流する。縄文海進により,尼崎北東部は現在の阪急神戸線以北まで海となっていた。その後,海退が始まり,猪名川の堆積作用と相まって河口部に砂州が形成され,奈良期までに現在とほぼ同様の流路となったといわれる。藻川川床遺跡・猪名川川床遺跡・田能遺跡などの弥生後期の遺跡があり,当時の猪名川河口部を推定させている。また阡陌(せんびやく)と呼ばれる古墳時代の農地区画が藻川の両岸にあって一連のものであることから,その頃には中州は相当成長していたと理解される。ほかにも右岸には大塚山古墳・南清水古墳・猪名寺廃寺などがある。現在,猪名川と分岐するあたりの尼崎市田能袴田に阪神水道企業団猪名川事業所がある。また,藻川,猪名川沿いには一周10kmのサイクリングロードや公園などが整備され,田能遺跡公園・資料館にも近く,休日にはサイクリング・釣りなどでにぎわう近郊の行楽地となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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