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釈迦ケ岳
【しゃかがだけ】


吉野郡の下北山村と十津川村の境界にある山。標高1,799.6m。頂上には銅製の釈迦如来像を安置する。大峰75靡40番の宿。「大和名所図会」には「釈迦岳は御山の南五里ばかりにあり。一名転法輪岳ともいふ。郡内の諸山に秀でて最雄峻にして,遠く眺めば磊状棊石を布くが如し」とある。また「大和志料」には「釈迦ケ岳ハ御山ノ南五里許ニアリ,一ニ大峰ト称ス,大峰山上ニ於ケル旧跡ノ吟咏ハ山家集ニ載スルモ繁キニヨリ之ヲ略ス」と記されている。さらに「吉野郡名山図志」には「常に雲霧起り晴日まれなり。晴れれば頂上より西にあたりて紀州の海,四国,九州を眼下に見,南海を過ぎる船の帆かすかに見え熊野の諸山見ゆ……大台山を始めとして東は伊勢,尾張,駿河の海を望み,晴天のあした日いまだ出ざるの頃駿河の富士山海中に見ゆ」とある。毎年4月8日は釈迦堂の戸開けで,前鬼坊が周8寸に3尺の皮付の大木を高さ3尺余の井楼に積んで大護摩をたくが,近村の人々は重箱に赤飯を入れ掌に置き,指でつまんで食う風習だと伝える。また「吉野郡名山図志」には,釈迦,文殊,普賢の木像を安置した桁行3間,梁間1間半で西向の釈迦堂があったとあるが現在はない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7605307