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要害森山
【ようがいもりやま】


西牟婁(にしむろ)郡中辺路(なかへち)町と東牟婁郡本宮(ほんぐう)町の境にある山。標高779m。新生代古第三紀砂岩・泥岩の互層地帯にあり,すぐ南を本宮断層が走る。北西の鞍部を三越峠といい,熊野街道の要衝として有名。中世には関所が設けられ,熊野詣での人々から関銭を徴収したといい(古道と王子社),地名の由来とも考えられる。近世には峠に茶店が3軒あり,餅・酒も売っていた。峠から鍋割(なべわり)・湯ノ峰を経て本宮に至る赤木越え道もあった。元禄2年「紀南郷導記」には「左右深谷ニシテ山ノ頂ヲ一里半程行キテ本宮湯峰ニ至ルナリ,最モ一騎打ノ道ニシテ馬足ノ通ヒナシ,水一滴ナシ」と赤木越えの道の状況を伝える。交通上の結節点としての重要性をも持っていた当峠は明治10年代に小広峠から大瀬―武住―檜葉―下湯川―本宮のルートが開かれると,三越峠越え道は次第に衰退した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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