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竜門山
【りゅうもんざん】


紀州富士ともいう。那賀郡粉河(こかわ)町の南部,紀ノ川南岸にある山。標高756.6m。竜門山地の主峰をなす。粉河町と同郡打田町飛地の境界沿いに位置するが,山頂部から延びる稜線の一部は那賀郡桃山町に続く。「府下(現,和歌山市)より是を望むに,其形あたかも富岳に似たり。或は紀州富士といふ。諸国より若山の湊に来泊するもの,かならず海上よりの標的にす」(名所図会)とのごとく,紀州富士の別称がある。当山は,延文5年南北朝期の古戦場跡という(太平記)。地質は結晶片岩中に貫入した蛇紋岩からなり,固い塩基性火成岩のため残丘的にそびえる。東方尾根の標高700m付近の地点に磁石岩と呼ばれる巨石がある。周囲約17m,高さ約4mの岩塊で,昭和34年4月に県天然記念物に指定された。また山地一帯は昭和33年4月指定の紀仙郷県立自然公園の一角をなす。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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