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籠山
【かごやま】


八頭(やず)郡智頭(ちず)町と用瀬(もちがせ)町の境にある山。標高906m。主稜線が東西に走り,東よりいくつかのピークが連なって西端の最高峰(三角点)に至る。千代(せんだい)川河谷と直交して智頭盆地の北を閉じる形になっている。このため,鳥取市付近より南を遠望すると,千代川の上流正面に見え,すっきりした稜線とピラミッド型の山頂に特色があり,東南の土師(はじ)川方面からは長々と横に広がる山容が独特である。山体の主体は三郡変成岩であるが,一部に花崗岩が存在する。主稜線の北面はよく開析されて長大な谷が発達するが,南面は開析度小さく,浅い谷が斜面に並行する形になっている。かつては全山がススキ草原であり,採草地として利用されていた。火入れが停止された現在は,二次林の形成が進みつつあるほか,スギ・ヒノキ・アカマツの造林が行われている。しかし,その地理的位置のためか風衝作用が強く,主稜線部を中心にしてススキの優占する草原植生が残存している。このために見晴しのよいスカイラインとなっている。稜線上の一ピークには電波の反射板が設置されている。登山道は特にないが,草原植生のため山頂に至ることは難しくない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7605581