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駟馳山
【しちやま】


岩美郡岩美町と福部村にまたがり,海辺に屹立した孤峰。標高314m。駟馳は七つの意味で,神功皇后が艦隊をここに7日間碇泊させたのでこの名が残ったといい伝えられている。また,名馬池月を産したことも地名とかかわるようである。山体は第三紀中新世の駟馳山砂岩・泥岩層を基盤とし,その上を,鮮新世の安山岩溶岩が覆っている。溶岩流は,東方の二上山と同質のもので,しかもその東南方は駟馳山峠を経て東西に延びる断層線で切られている。このことからみて,独立した鐘状火山ではなく,断層線に沿って浸食崖ができ,溶岩流の末端が切られて孤峰になったものと考えられる。山の西側にある岩戸海岸には,安山岩溶岩の美しい柱状節理がみられる。また,当山の安山岩は硬質で,石材として採取されている。山麓の東には大谷,西には岩戸両集落があり,山の東方2kmばかりにある網代港から眺める山容は美しく因幡(いなば)路の名山の1つ。因幡自然遊歩道が通り,ハイキングコースにもなっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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