西坂
【にしざか】

大山隠岐国立公園，船上山の登山道にある坂。長さ約2km。西伯(さいはく)郡名和町名和・御来屋(みくりや)方面から船上山に登る際に利用されていた。山頂の船上神社の近くに通ずる。元弘３年２月隠岐より逃れられた後醍醐天皇を御来屋の港に迎えた名和長年は，一族郎党とともに天皇を背負いこの道をたどり，山頂にたてこもった。追手の佐々木清秋は1,000余の兵を率いてこの坂を攻め上ったが，地の利を生かして戦った，わずか100余の名和勢が大勝した古戦場（船上戦史）。急峻な坂と，取り付きの悪さのため，現在は利用されていない。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7605638