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弓ケ浜
【ゆみがはま】


鳥取県西部にあり,美保湾に面した浜。全長約20km・幅約4km。夜見浜(よみがはま)とも書く。狭義の弓ケ浜は美保湾に面した海浜を指すが,広義には半島部全体をさし,弓浜半島と混同して使用される。地名由来は地形が弓のように湾曲していることから,また古代埋葬の地として黄泉津島(よもつがしま)から夜見島となり,やがて陸続きの砂州に成長して夜見浜あるいは弓ケ浜となったともいう。古く「浜の目」と俗称していた。弓ケ浜の内浜には何か所かに岩盤があって,粟島のように岩島であったり,低い岩礁として分布していたが,だんだんに砂が堆積して島として形成されたものらしく,「出雲国風土記」に「夜見島」とみえる。その後,砂州の成長によってひとつづきの半島となったものの,崎津~和田のあたりに「大切戸」とよぶ海峡が寛永の頃まで存在しており,この線が出雲・伯耆両国の藩境となり,和田に関所があった。境港の市域は大切戸の閉塞後も40~50年は雲州領であった。古代から中世にかけては砂の荒地として放置され「木無しの里」の別称があった。開拓は,半島先端部は古いが他は新しく16世紀末,八幡氏が皆生に入植したのが最初といわれ,17世紀末,綿が導入され日本の四大産地の1つとして発展。1716年米川用水が完成,水田が拡大した。外国綿におされ明治中頃より桑畑が広がり養蚕業が盛んとなる。現在は葉タバコ・一本白ネギを中心とする野菜の一大産地である。一方米子・境港の市街地が広がり,宅地化が進行している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7605662