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澄水山
【しんずやま】


島根半島中部,松江市坂本(さかもと)・福原(ふくはら)両町の北にそびえ,八束(やつか)郡島根町大字加賀(かが)と境界をなす山。標高513.5m。「風土記」島根郡の条に,「毛志(もし)山。郡家(こおりのや)正北一里なり」とある。毛志山に比定され,毛志は草原の多い様子をあらわしているらしいが,出雲方言で,虫を「もし」といい,虫の意とされ,南側に虫の原・福原町には虫野神社もある。北の中腹に,御手洗(みたらい)の滝(約30m)があり,山間の幽境として知られ,不老山澄水(ちようすい)寺は,もと南の山腹にあり,俵藤太秀郷(ひでさと)あるいは朝比奈三郎義秀の開基と伝え,出雲巡礼第二十五番の札所として栄えた。明治7年南麓の長慶(ちようけい)寺(曹洞宗)の境内に移され,観音堂が建てられた。この山は,水草(みくさ)川(現朝酌(あさくみ)川)の水源としても,「古風土記」に記されている。澄水山は宍道(しんじ)湖北山県立公園区域内である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7605744