100辞書・辞典一括検索

JLogos

9

八十山
【はちじゅうやま】


木垣峰(きがきのみね)とも呼ぶ。八束(やつか)郡宍道(しんじ)町と大原(おおはら)郡大東町の境にある。八重山とも書く。郡境となって東西にのびる300~400m級の連山の一部で,標高350m程度の尾根一帯を指す。平安期には,この地は山岳仏教の聖地で,八十山八十八坊があり,寺領3,000石をもっていたという(大東町誌)。山の南麓は大東町大字遠所(えんじよ)で,この地の一乗寺は八十山八乗院の後身といわれる。尾根筋からは北方の宍道湖や島根半島を望む眺望が開け,大東町では八十山・大平山・丸倉(まぐら)山の連山の頂上線をハイキングコースとして推奨している。「風土記」には「木垣峰」と見え,「雲陽誌」には「古城,八十山という,城主しれず」と見える。この山の東の肩の木垣坂(きがきのさか),比与登理坂(ひよどりざか)あるいは遠所越(えんじよごえ)と呼ばれる峠は,古来山陰道から玉湯町で分かれた道が,出雲南部の大原郡へ,さらに仁多(にた)郡・飯石(いいし)郡方面へ越す道として重要視されていた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7605788