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日晩峠
【ひぐらしとうげ】


益田(ますだ)市波田(はだ)町と美濃(みの)郡美都(みと)町・匹見(ひきみ)町澄川の境界にある日晩山山塊のやや西の鞍部にある峠。標高480m。峠道は昭和初年頃まで匹見・三坂峠・五里山越えによって広島県佐伯郡吉和村を経て廿日市町に達する広島街道上にあった。波田町側の日晩峠道は天満宮前から登り,急坂ではあるが道幅は広く,頂上まで約2km,頂上から澄川までは約4km,比較的緩やかであった。日晩峠には茶店もあったが,山火事で焼失した。眺望よく,馬谷城山を隔てて吉田平野から日本海を遠望し,高島を望むことができる。頂上付近には「道まかりけるについてに 日晩山をまかり侍りて 菅原右大臣 ひくらしの やまちをくらみ さ夜ふけて この末ごとにもみちてらせる 後撰集にて草之 美静老人」と記された大きい石碑と,「ひばりより 上にやすろう峠かな」の句碑がある。峠道のうち頂上から澄川の能登川上に架かる馬橋までの約4kmは,昭和18年9月の集中豪雨のため荒廃し,昔日の街道の面影はない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7605794