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枕木山
【まくらぎさん】


島根半島中部にそびえ,古くは大倉山と呼んだ山。標高456mの山。松江市枕木町と北の八束(やつか)郡美保関(みほのせき)町大字千酌(ちくみ)の境界にある。「風土記」島根郡の条に,「大倉(おおくら)山。郡家の東北九里一百八十歩なり」とある。山腹に臨済宗南禅寺派の名刹,竜翔(りゆうしよう)山華蔵(けぞう)寺がある。寺は天長2年智元上人の開基で,もと天台宗であった。薬師堂の木造薬師如来坐像は国の重要文化財。山名の由来は,かつて上人が美田源太広綱といった頃,この仏像を納める時,破損した左膝を,木枕で支えると,ただちに膝となり安置でき,それから枕木山と称したと伝える。今は,登山有料道路が完備し,山頂にテレビ塔が建ち,眺望がひらけ,北の日本海に遠く隠岐(おき)を望み,南方にはるか中国連山を望み,東から大山(だいせん)・中海(なかのうみ)・宍道(しんじ)湖の景観を擁し,その雄大さは,山陰一の称がある。山林は保安林に指定され,宍道湖北山県立公園の範囲内で,また北山縦走路の拠点。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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