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阿哲峡
【あてつきょう】


丹霞峡ともいう。高梁(たかはし)川の支流西川が流紋岩の台地を穿入蛇行により深く刻んだ峡谷。阿哲郡神郷町下神代字新市付近から新見市金谷字川之瀬までの約10kmをいうが,昭和39年に完成した河本ダムにより約6kmが水没。景勝地として残るのは新市から新見市西方字布原までの約4kmである。新見市から旧国道182号を西方を経て川面峠(こうもだわ)に出ると眼下に西川が流れ,阿哲峡が広がる。比高約60mの左岸山腹を苦ケ坂が通り,ここからの眺めが最もすばらしい。西川を縫うようにJR伯備線が走る。かつて昭和44~45年頃足立より石灰石を運び出す蒸気機関車D51の三重連で,多くの鉄道マニア,アマチュアカメラマンを集めた布原信号所がある。秋の紅葉が美しく,中でも鳥越トンネル付近はすばらしい。昭和47年9月,国道182号の九の坂バイパスが完成し,苦ケ坂の通行はほとんどなくなり,現在は四季折々の景観を楽しむ行楽客が訪ねるのみとなった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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