100辞書・辞典一括検索

JLogos

7

大佐山
【おおさやま】


阿哲郡大佐町と新見市の境にある山。標高988m。中国山地に属する山で,大佐町小阪部・永富から見る山容は緩やかな扇形で雄大にして気品あり,古来より備北一の名山として知られる。東面頂上より開いた扇形の岩壁が中腹近くまで垂下した扇の要の所に大悲の口と称する所がある。「大佐神社宮司戸部家文書」によると,延暦3年大阿蘇大明神が黄(おう)山の大悲の口にあらわれたので,現在地広岩に勧請した経緯が記してある。大阿蘇神社は大佐神社となり,黄山が大阿蘇山・大佐山となり,町名もこの山に由来する。頂上北面より少し下った所に阿蘇の男女二神を祀る大池神社のある天然の竜王池がある。古来より雨乞がたびたび行われた。昭和57年雨乞の太鼓のリズムをアレンジした竜王太鼓が生まれ,郷土芸能として脚光を浴びている。池の周りの天然林はモリアオガエルの生息地として有名である。昭和50年から町による大佐山の観光開発が進められ,山頂付近には憩いの家などの施設が建設されている。同54年には備作山地県立公園の特別地域に指定されている。東面の緩斜面には,昭和42年県立和牛試験場が開設され牧草地となっている。また,砂鉄採取が行われたかんな井手,鑪跡があり,大佐町小坂部より新見市菅生へ通じる古来の大佐横路に沿って古墳も数基みられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7605864