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笹向山
【ささぶきやま】


真庭郡落合町北部の若林山塊の西端に位置する山。標高400m。尾根線は同郡久世町との町境をなす。北斜面は目木川の攻撃斜面で急傾斜をなし,南西斜面は目木川の沖積低地におちるやや緩傾斜で,いくつかの尾根が南へ延びる。西麓には大庭・大日・平松などの小集落が点在する。地質は古生層で,植生は雑木林・檜林で,南斜面には牧草地やかつての水田や畑地が荒地となっている。山頂部にTV中継アンテナがある。笹向山は「作陽誌」などには篠向山の字があてられており,中世の山城篠向城として知られている。天正15年には美作守護赤松氏の属城であったらしく,築城は14世紀前半と考えられる。室町期は山名氏と赤松氏が交互に領有し,美作西部の抗争の場となった。15世紀末頃からは浦上氏・尼子氏・毛利氏・宇喜多氏らの勢力争いを経て,宇喜多氏の部将江原兵庫が朝鮮出兵で死亡したのち,廃城となるまでの約300年近く,出雲街道の要衝をおさえていた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7605902