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権現山
【ごんげんざん】


佐伯郡南部,大野町と北側の佐伯町の境にある山。標高699.5m。広島湾西部の海岸線は北東~南西方向の断層に従うが,その背後に連なる600m級山塊の一峰。内陸の佐伯高原を流れる玖島(くじま)川は海岸線に並行して南西に流れ,大竹市で広島湾に注ぐ。中生代の花崗岩よりなり,著しく浸食された屹立する山頂は無数の岩峰や急崖,岩場よりなる。広く緩やかな中腹とは対照的である。「瑜伽廃祠,大野村権現山にあり,此祠,備前児島に移すといひ伝ふ」「近辺に石鳥居と呼ぶ地あり」(ともに芸藩通志)とあるように信仰の篤い山であった。南側中腹に広がる深い森は,昭和43年に指定された大野町憩いの森で,明治百年を記念する。大野町側から山頂に至る登山道が整備され,キジ・ヤマバトの生息する野鳥の森も置かれた。南西部一帯はベニマンサクの自生地(県天然記念物)である。秋に一斉に深紅と化すさまは,自然愛好家によく知られるところ。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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