100辞書・辞典一括検索

JLogos

5

勘場山
【かんばやま】


ジロウギュウから派生し,那賀郡木沢村・木頭(きとう)村の境界をなして東へ延びる山稜上の山。独立峰でなく,山名は木沢村側の勘場谷の奥の山地一帯を指し,地形図でも頂上を明確に示していない。最高標高は村界からわずかに木頭村側に寄った地点である。「木頭村誌」では,「綱付山,1,633.8m,北緯33度48分50秒,東経134度10分30秒」とし,村界から700m南東の木頭村側に寄った頂上の一部をなす三角点を頂上としている。勘場山は木沢村側の山全体を示し,頂上は綱付山と呼んでいることになる。頂上の北方約1kmに勘場谷と東蝉谷西又とを結ぶ峠がある。木沢村では蝉谷峠,木頭村では勘場峠と呼ぶ。現在はほとんど使用されないが,明治20年代に勘場山が藩有林から民間に払い下げられ,和歌山県の木材商によって伐採された木材が牛によって,この峠を越えて那賀川本流まで運ばれた(木沢村誌)。地質は秩父帯に属す。植物はウラジロモミ・ケナシシナノキ・ブナ・ミヤマザクラ・ゴヨウツツジ・チチブドウダン,草木ではエビラシダ・クモノスシダ・オシャゴシテシダ・アワミョウギシダなどが見られる。登山道は蝉谷峠(勘場峠)から南へ稜線を縦走するコースで,スズタケが繁茂する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7606460