100辞書・辞典一括検索

JLogos

8

八郎山
【はちろうやま】


那賀川の南方を走る山並みで,那賀郡相生(あいおい)町と海部郡日和佐(ひわさ)町の境界にある山。標高918.9m。日和佐川と赤松川の源流をなす。「阿波志」に,「山河内(村)にあり。高峻にして材木叢生す。禁山たり」とある。八郎山は藩有林であり,海部郡代高木真蔵はこの山を含めて,70万本の植林をしている。文化9年の棟附帳には「八郎山御林番海石富蔵」の名があり,専任の山番が置かれていた。明治5年には,山河内村大越集落の農民たちが八郎山180町歩の伐採を請願した文書も残されている(日和佐町誌)。地質は四万十帯に属す。植生は南面の日和佐側で頂上付近に,モミ・ツガ・スギの自然木が混生し,中腹にはアカガシ・アカマツ・ネジキ・カクレミノ・サカキ・モチノキなどが見られる。北面の相生町側は杉山谷と呼ばれ,八郎山の中腹および周辺の山を杉山と総称するように,スギの自然林が約1,000haに及ぶ。登山道は杉山谷をつめて西尾根から登るか,日和佐町と那賀郡上那賀町とを結ぶ主要地方道日和佐上那賀線の峠から尾根を北上するのが一般的コースである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7606542