100辞書・辞典一括検索

JLogos

5

八面山
【やつらさん】


美馬郡の穴吹町と一宇村境にある山。標高1,312.3m。八方に面しているという山名の由来そのままに山頂からの展望に優れ,特徴ある山容を示し,剣山地をはじめ,矢筈山,遠く雲早山などの連峰も一望できる。また山頂から南西に少し下った所に,大己貴命を祀った八面神社と堂宇(無人)があり,ここから頂上へ急登する途中の崖には雨乞の神を祀った祠がある。旧暦7月28日の祭礼には今でも村人が登山する。伝承によると,平安初期,橘氏に追われた藤原氏の一族四十数人が九藤中に住みつき,祀ったという。九藤中も藤原氏に由来し,氏子の姓にも藤原・上藤・下藤・奥藤に集中している。麓にも藤原神社がある。また頂上付近にはモミの原生林も見られる。登山コースは多いが,代表的なのは貞光から一宇村に入り,八面橋をわたって九藤中谷沿いに進む旧来の参道コースで,約3時間かかる。ほかに,須見瀬から川又を経て奥大野まで入ってから登るコースをとる人も多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7606582