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城山
【きやま】


坂出(さかいで)市の南東部,綾歌郡飯山(はんざん)町との境にある山。標高462m。基盤の花崗岩の上に凝灰岩や集塊岩などの噴出岩がのり,その上を安山岩が覆う台状の山で代表的なメサ。山名は頂上に古代の城跡があることによる。城跡は古伝説に城山長者の屋敷跡と伝え,山頂一帯の平坦部を城郭に取り入れた,周囲約8kmにもおよぶ神籠石系山城で,国史跡に指定されている。また,頂上からは先土器時代の打製石斧やブレイドが発見されており,先土器遺跡としても知られている。山頂には東経133°53′10″,北緯34°17′26″の測量三角点があり,四国測量の起点となっている。北麓や東麓には,崇徳上皇ゆかりの白峰宮や讃岐国府跡,国司菅原道真が祈雨したといわれる城山神社など,多くの史跡がある。菅家文草(巻7)には,「城山の神を祭る文〈讃岐守として祭れり〉」と題する祭文が収められて,その中に「八十九郷二十万口」と当時の讃岐国の郷数ならびに人口などが記されている。また別の詩には「哀愍す二十八万人」とも見える。山頂からの眺望は雄大で四方に開け,東に屋島,五剣山をはるかに望み,南には阿讃の山並みを,西眼前には讃岐富士として知られる飯野山や丸亀城,遠くには金刀比羅宮のある象頭山,北には坂出市街,番の州臨海工業地帯から瀬戸内の島々,遠くには中国地方の山々が一望できる。山頂北側一帯には,昭和29年に造られた,66万m(^2),18ホールの四国で最初といわれるゴルフ場,社団法人高松カントリークラブがある。登山口は,北東麓の国鉄鴨川駅西側からと西麓の坂出市川津町から頂上までドライブウエーが完備しており,そのほかにも徒歩による登山道が数か所ある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7606629