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妙見山
【みょうけんざん】


三豊郡仁尾町と詫間町との境界にある山。標高320m。荘内半島の頸部にあり,詫間町側の博智山(237m)とともに妙見山塊をなす。当山は,荘内半島の脊梁山地である七宝山系の一山で,東に高尾下(たこぎ)山,西に横峰山があり,それぞれの間に,詫間峠・横峰峠が通る。面積は44.9haで,仁尾町側(25.7ha)にやや広い。山名は,南の中腹にある妙見宮に由来する。花崗岩からなり,巨岩が数多く露出し,仁尾町側では,瓜石・茄子石・大黒石・鯛石・山老婆石・岩屋石・天蓋石などと命名し,奇景を誇る。比較的良質なので,墓石・建築材料として切り出される。仁尾町側の山腹に,弘法大師が修行した霊地と伝えられる岩屋妙見宮がある。同宮は,延喜13年弘法大師の開基と伝える真言宗七宝山吉祥院の奥の院として建立されたもので,申伝えに「空海,妙見菩薩ノ本地仏,虚空蔵菩薩ノ尊像ヲ岩面ニ刻ミテ一宇ヲ建テタリ」とある。花崗岩の巨石,岩屋石を天井に,天蓋石を屋根とした堂宇のほか,境内には通夜堂・大師堂・修行場があり,景観にも優れ,参詣者は多く,昭和42年,仁尾町の名勝に指定された。植生はマツが主で,山頂には江戸期,生駒氏家老が命名したと伝える,千貫松という岩上に生える松がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7606704