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竜王山
【りゅうおうざん】


仲多度郡仲南町佐文(さぶみ)と三豊郡財田町の境に位置する山。標高422m。上部は讃岐岩質安山岩,下部は黒雲母花崗岩からなる。頂上は雌竜の峰,雄竜の峰と2つの峰があり,それぞれ竜王が祀られ,山名もこれによる。明治の神仏分離により,ふもとに移され,現在では石祠だけが残る。ふもとの佐文地区は,山間部に位置し,水田が広い割に溜池が少なく,水源もなく,旱魃の年はいち早く水不足に悩んだ。水を得るには天に祈るしかなく,山頂で雨乞の火を燃やして雨を求めたといわれる。佐文地区に綾子踊りという国重要無形民俗文化財の雨乞踊りが伝えられる。綾子踊りの起こりについては,ある旱魃の年,綾という女が旅の僧(弘法大師とも伝える)に雨乞を教えられ,竜神に願って踊ったところ,またたく間に雨が降ったことによるという。以来旱魃の年に綾が踊ると恵みの雨があるので綾子踊りとして現在に伝えられる(綾子踊の里,佐文誌)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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