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江川?
【えがわ】


北九州市若松区から遠賀(おんが)郡芦屋町へ流れる1級河川。錦川ともいう。流長7.8km。遠賀川水系に属する。洞海湾奥の二島から,遠賀川河口へ通じる。川名は,この江川が西は古く外海の入江をなし,東は洞海の一部であったことによる。伊能忠敬の「測量日記」文化9年7月の項に,「往古入江の節は勿論なり,汐入川にても,若松より入汐と芦屋と出合し,又両方へ引戻るよし,仍此所瀬ありて干汐には小舟往来ならず」とある。東は洞海湾,西は遠賀川河口の芦屋から,潮水が東西から満ち合い,大鳥居の正ノ江付近で両方に引くところに,潮分地蔵が祀られる。文禄元年,豊臣秀吉は朝鮮出兵の折,江川を通過して芦屋に出たと伝える。歴代の幕府巡見使も若松に到着し,船で洞海湾から江川を通って芦屋へ出ていた。特に江戸期,遠賀川を下ったかわひらた(川艜,五平太舟とも)はいったん芦屋に出て,江川を通過して若松に筑豊の石炭や流域の村々の米を運送し,にぎわったという。川浚えは毎年1回,遠賀郡全村から農民が駆り出され,普請方の指図を受けて行われたという。現在,灌漑用水として利用され,排水路としての役割も果たす。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7607126