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有浦川
【ありうらがわ】


有浦川水系で,7つの支流を持つ。唐津(からつ)市西部,上場(うわば)台地の石高山(265m)・丈高(たけだか)山(186m)などに源を発し,玄海(げんかい)町を西流して仮屋(かりや)湾に注ぐ川。延長7.7km,2級河川。乏水地域上場台地の重要な農業用水源になっている。川口付近の新田は,慶長9年唐津藩主寺沢志摩守が干拓した土地で,元和9年以降検地となった(新田村庄屋記録)。さらに,この地先に昭和40年県営有浦干拓が完成した。川名は,支流上村(かみむら)川・下村(しもむら)川の流域を中心として一帯を所領とした有浦氏の名にちなむものであろう(康永元年有浦家文書)。県内では玉島川とともにシロウオ漁で有名。2月から3月ごろが漁期で,福岡市をはじめ,時には空路東京に出荷する。なお,上流部は後川内(うしろかわち)川といい,上場台地の東端部後川内付近の谷に源を発し,大良(だいら)で有浦川水系の名場越川と合流し,やがて有浦川となって仮屋湾に注ぐ。延長2.2km。現在,上場土地改良事業の一環として,後川内ダムが建設中で,昭和56年度完成予定である。後川内の集落名は「正保国絵図」に見える。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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