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万江川
【まえかわ】


球磨(くま)郡山江村北端の仰烏帽子山および郡境の肥後峠付近を水源域とし,山江村を南に貫流する1級河川。流路延長21.1km,流域面積90.1km(^2)。球磨川第二の支流。深いV字谷をつくり,穿入蛇行も見られる。古くは万江川は,西川内川に流下していたが,河川の争奪により流路を変えて現河道になったとみられる。上流部には,石灰岩層が東西に横断している。自然林も多く,深山幽谷をなす。シャクナゲ・フクジュソウなどの高山植物が自生し,多くの鳥獣類が生息。古くから,この河道に沿って肥後峠を越え坂本への万江道が通じていたが,現在建設中の人吉~坂本間を結ぶ九州自動車道42.9kmも,人吉~肥後トンネル間の24kmはこの川に沿う。中流部には婦人病に効くという淡島神社があり,参詣者が多い。下流部の谷底平野には神仏習合で有名な井の口八幡宮があり,右岸,人吉市の馬草野・上原田にかけて段丘が広がる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7607770