100辞書・辞典一括検索

JLogos

11

玉来川
【たまらいがわ】


阿蘇外輪山東側山腹を東流する川。大野川1次支川。熊本県阿蘇郡南小国(みなみおぐに)町瀬ノ本(せのもと)高原に源を発し,南流して同郡産山(うぶやま)村に入り,大蘇(おおそ)川を入れて南東流,竹田市に入る。魚釣戸(うおつりと)滝で支流の吐合(はきあい)川を合わせ,蛇行しながら竹田市中央部をほぼ東流,大字川床(かわどこ)・向山田(むこうやまだ)を経て,大字君ケ園(きみがその)で滝水(たきみず)川,下矢倉(しもやくら)で矢倉(やくら)川を合わせ,阿蔵(あぞう)で大野川本流に流入する。延長18.08km・流域面積79.3km(^2)。「豊後国志」には「葎原,山田二水一と為り,玉来に到る。また馬背野の水有り,君箇園・矢倉を経て,玉来の北に到りて,相合して阿蔵川と為る」とある。葎原(むくらはる)川は現滝水川,山田川は現玉来川で,馬背野の水は現矢倉川である。同書「山田川」の項には「源三。皆肥之阿蘇郡に出づ。一は柏原郷田代村北より来たる。一は小塚北,一は池部北。田代・小塚の二水,今西に合して,楠野西に到る。是に於いて池部に合す。直東行,川床・山田・漆迫・穴井迫諸村の北を経て,岩瀬に至り,葎原川を合す」とあり,中流で山田川と呼んだもののようである。また下流の阿蔵付近では,阿蔵川と呼ばれ,「豊後国志」には「玉来川阿蔵の西北を囲遶し南折東行,恵良東北に到りて吉田川に合す」とある(吉田川は吉田付近での大野川の呼称)。頭首工9・灌漑面積282.2ha。支流の吐合川は,阿蘇外輪山東側に源を発し,熊本県阿蘇郡産山・波野両村境を東流,産山村片俣に至り,片俣川と呼ばれる。竹田市に入って,田代と小塚(おづか)の間をほぼ東流し,魚釣戸滝下で玉来川に入る。延長4,800m・流域面積21.0km(^2)。頭首工9・灌漑面積132.8ha。また葎原川,現滝水川も阿蘇外輪山東側の波野高原に源を発し,直入(なおいり)郡荻町と竹田市との境をなしながら東流,荻町大字南河内(みなみがわち),竹田市大字渡瀬を経て,同市大字君ケ園字岩瀬で玉来川に流入する。延長17.01km・流域面積8.7km(^2)。「豊後国志」には「三源。並びて肥之阿蘇郡に出づ。一水柏原郷原山より南来。二水原山より北来。馬渡北に至り,三水合して一と為る。馬渡の東に至り,細流を引き,野鹿東を経て,藤渡川と合して,一と為る。北行,渡瀬東を過ぎ,薊菜東を遶り,北折,岩瀬の水と会し,入田郷玉来川と為る」とある。頭首工11・灌漑面積128.1ha。矢倉川は直入郡荻町大字恵良原(えらばる)の北に源を発し,馬背野の北をほぼ北東流,竹田市深瀬の南で玉来川に流入する。延長4,200m・流域面積5.9km(^2)。頭首工6・灌漑面積68.7ha。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7607946