100辞書・辞典一括検索

JLogos

13

北川
【きたがわ】


大分県内の山地を源流とし,東臼杵(ひがしうすき)郡北川町・延岡市を流れ,二ツ島町・東海町で延岡港に注ぐ1級河川。五ケ瀬川の1次支流。全長53.6km,流域面積589.2km(^2)。支流とはいっても一般には独立した川として扱われる場合が多い。小川(おがわ)・多良(たら)川・桑原川など21支流をもつ。上流・中流域にみるべき谷底平野はなく,ほとんどがV字谷で宇目(うめ)町(大分県)に北川ダムがある。発電所は桑原・北川・下赤(しもあか)の3つがあり,合わせて毎時2万9,600kwの電力をおこしている。この川の鮎漁は有名で,「日向地誌」川島村の項にも「香魚多シ」の記録が見える。北川町八戸(やと)付近からは紅渓石を産する。延岡市の特産硯はこの石を原料とする。記録によればその発見は安政年間で,「質堅緻,色青紫ソノ質赤馬関ニ下ラス」とある。名石として知られる赤間石にも劣らないというから,品質はすでに古くから評価があったものと思われる。支流の小川は全長34.5km,日向と豊後を結ぶ旧豊後街道はこの川の谷沿いに延びていた。現在の国道10号もほぼこの川沿いを北上する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7608081