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萩原川
【はぎわらがわ】


鰐塚(わにつか)山地の牛の峠付近を源流域とし,都城盆地の南部を流れる1級河川。北諸県(きたもろかた)郡三股町から都城市内を西流する大淀川の1次支流。全長11.5km,流域面積43.6km(^2)。牛の峠付近から都城市都島(みやこじま)までが流域である。山地を流れる上流部では高畑川とも呼ばれるが,盆地に入ると山王原から小鷹原にかけて広がる扇状地をつくる。川は扇状地の南部を西流するが,古くは中郷(なかんごう)川とも呼んだ。「日向地誌」には「平時水地底ヲ潜リ涸レテ通セス,夏月雨集リ川流漲溢スレバ,水満川ニ汎濫ス」とあり,扇状地を流れる川の伏流の様子を適確に記述する。支流として寺柱川・崩川・安久川があるが,いずれも萩原川左岸の山地からの流入である。安久川の谷筋は昔から飫肥(おび)(日南市)や志布志(鹿児島県)に通ずる往還として重要であった。このルートの分水界に当たる牛の峠は,かつて飫肥藩と鹿児島藩が48年間にもわたって境界論争をした所として有名である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7608106