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沖永良部島
【おきのえらぶじま】


沖之永良部島とも書く。大隅諸島の口永良部島に対して沖永良部島という。奄美諸島の1つで,徳之島と与論島の中間に位置し,鹿児島市から530kmの距離にある。面積は95km(^2)。北東部の和泊町と南西部の知名町からなる。南西諸島第3系島嶼群に属し,古生代の名瀬粘板岩凝灰岩層・新村粘板岩層および中生代の古期花崗岩質岩類を基盤として,石灰岩の琉球層群が隆起珊瑚礁として海岸段丘を形成している。最高峰である大山の中腹から麓にかけてはドリーネが無数に発達している。観光資源として重要な昇竜洞・水連洞・永良部洞などの鍾乳洞も多く発達している。農業が主産業で,サトウキビ・サツマイモの畑作を中心とする。特産物として,エラブユリ・フリージアの球根がある。ユリはこの島に自生していたものを栽培するようになったもので,アメリカ合衆国にクリスマス用として明治期から輸出されている。フリージアは昭和40年代に八丈島から導入したもので,ともに和泊町が生産の中心である。大島紬の生産も行われるが原材料は奄美大島から移入される。西郷隆盛の流謫地の1つとしても知られ,西郷にまつわる史跡がある。かつての琉球王であった世之主(よのぬし)の墓も観光地となっている。田皆岬・フーチャなどの名所があり,大山展望台公園からは島内が一望できる。鹿児島市との間には海と空の定期便がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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