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汐見川
【しおみがわ】


出水(いずみ)郡東町川床の地行田および矢岳に源を発し,ほぼ南西に流れて,下流部で春木岡から南流してくる支流の川内川を合して東シナ海に注ぐ河川。延長約8.5km・流域面積12.4km(^2)。流域には,東町の川床・山門野(やまどの),長島町の馬込・汐見・汐見潟の各集落がある。河口部は,広野から続く海岸段丘を開析して谷をつくり海に注ぐため,ほとんど平地がなく,平地は上流部の川床と中流部の山門野の小氾濫原だけで,他は水田に利用されている。当河川は,流路が短いので降雨があるとすぐ濁流となるが,平常は流量が少なく,流域の水田の大半は天水に頼っている。そのため干害を受けやすく,藩政時代に川床と山門野の狭窄部に築堤して2つの溜池を作り,これに対処した(昭和5年修築)。近代の干害のうち,特に被害の大きかったものは,長島大旱魃と呼ばれる昭和42年の干害で,この時は,当川の河床に井戸を掘って飲料水を得たという。現在は,28か所をボーリングして水源を得,これに備えている。汐見川の名称は,河口の汐見集落を貫流していることによるが,汐見の地名は,黒之瀬戸の潮行き(潮流)を見る場所に由来するとか,あるいは,汐見集落は,藩政時代,米の代わりに塩を貢納していたことに関係するなどの説があるが,確かな由来は不明である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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