100辞書・辞典一括検索

JLogos

14

長島
【ながしま】


県本土北西部と熊本県天草下島との間に位置する島。島の東半分が出水(いずみ)郡東(あずま)町,西半分が同郡長島町。面積91km(^2)。東は八代海,西は東シナ海に面する。また北は長島海峡を境に天草下島に対し,南は,万葉集に歌われた幅約500mの急瀬,黒之瀬戸を境に県本土に対するが,現在は昭和49年4月開通の黒之瀬戸大橋で結ばれている。基盤は北部の白亜系砂岩を除けば,ほとんどが白亜紀~古第三紀の安山岩からなり,天草とほぼ同じ地質といわれる。島全体が100~300mの丘陵性で最高峰は401.9mの矢岳。海岸線は一般に複雑で,北西部は雲仙天草国立公園に属し,典型的なリアス式海岸が発達している。島内には,小浜崎古墳,湯之浦古墳,指江古墳など多くの古墳があり,その出土品から弥生時代には人の居住があったと考えられる。また「続日本紀」には宝亀9年11月13日,遣唐船の漂着の記録がある。戦国期には,天草の支配下にあったが,慶長4年鹿児島藩の支配下となり,交通の要所として,馬牧の地として重要視された。また,「三国名勝図会」には「当島は出水邑より西方の海中にあり肥後国に隣近す。出水の陸地を距ること,近きは僅十町に足らず,周廻凡十八里許かり,属島多し,故に俗に島治所在の島を本島と号す。本島より卯辰方に当て獅子島あり。丑寅方に伊唐島あり子方に本浦島あり。其外洲嶼多し。具さに記するに遑あらず。其総称を長島という。島地原野多し,土人海に漁し野に耕す。当島の東北に肥後国天草島あり」とある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7608283