焼肉手帳 鶏肉 正肉・内臓 277 白ぎも【しろぎも】 同じ肝臓でも、これは鶏の脂肪肝、鶏のフォアグラ。鴨のフォアグラは人工的に作られるが、白ぎもは正真正銘の天然もの。寒い東北地方で、越冬のためにいい餌を真っ先に食べるボス鶏の脂肪肝だ。といっても脂肪肝の持ち主に雄鳥は少なく、ほとんどが卵を産むための養分を必要とする雌鳥だという。写真の串1本が1羽分だけれど、100羽に1羽いればめっけものというから、部位的にはともかく、超レアなひと串であることは間違いない。名前どおり色は白く、食感は噛むまでもなく溶けるほど濃厚、かつやわらかい。脂のにじみ具合と甘さはどこまでも深く、まさに栄養と贅沢のカタマリ。鴨のそれに比べて臭みがなく、塩がすてきによく合う。鶏でありながら鶏を超えた、これこそ絶対域の味。 東京書籍「焼肉手帳」JLogosID : 8015133