誘導法
【ゆうどうほう】
複式簿記により作成された帳簿記録に基づいて貸借対照表と損益計算書を作成し、利益を計算する方法をいう。
誘導法によれば、帳簿記録に基づいて貸借対照表が作成されるため、実地棚卸によって利益を計算する棚卸法とは異なり、物理的に識別可能な項目や法律上の債権・債務以外にも、繰延資産や引当金のように実態がないにもかかわらず、あたかも存在するかのようにみなされる計算擬制的な項目についても計上することが可能となる。また、誘導法においては、帳簿価額によって引き継がれるため、資産の価額は原則として、過去の支出額によって評価される。
今日の企業会計においては、帳簿価額を基礎として貸借対照表と損益計算書が作成されるとともに、一部の項目については時価への評価替えが行われているという点から、誘導法を基礎として、部分的に棚卸法が採用されていると考えることができる。
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| 日経BP社 「プロフェッショナル用語辞典 会計・監査」 JLogosID : 8522030 |