ケータイ辞書JLogosロゴ 青沼郷(古代)


山梨県>甲府市

 奈良期〜平安期に見える郷名。「和名抄」巨麻【こま】郡九郷の1つ。東急本の訓は「安乎奴万」,高山寺本の訓は「安乎奴末」。「正倉院宝物」太孤児面袋白絁裏に「⊐国巨麻郡青沼郷物部高嶋調絁壱匹〈長六丈闊一尺九寸〉⊐正八位⊏⊐連恵文」とあるのが郷名の初見(正倉院宝物銘文集成)。郷域は現在の甲府市の中心部である。最近まで甲府市に東青沼町・西青沼町・新青沼町があり,今も青沼1〜3丁目があって郷名の遺称をとどめている。後世,荒川が郡境となり,それ以東に位置する当郷は山梨郡(明治11年以降は西山梨郡=現在消滅)の中に入ったが,「和名抄」時代の郡境は甲府市街地の東,濁川付近にあったらしい。この郷の北辺には加牟那塚古墳・万寿森古墳など巨大な横穴式石室をもつ大規模な円墳があるほか,千塚・塚原の名の示すごとくかつては小古墳の群集地帯であり,東部から南東部にかけては弥生時代〜平安期の集落跡も発見されており,古い時代に開拓されたことがわかる。東は山梨郡表門郷に接しており,現在の甲府市は,当時青沼・表門2郷の地であったと推定される。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7334937
最終更新日:2009-03-01




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