薬王寺村(中世)
南北朝期〜室町期に見える村名。筑前国粕屋郡のうち。筥崎宮領。正平21年筥崎宮若宮の仮殿遷宮に際して饗膳米のうち2斗が薬王寺の預所平為元に割りあてられている(石清水文書6/大日古)。応永5年には大内氏により薬王寺は宗像氏経に預けられたが,同12年薬王寺資時に返還されたと思われ,翌13年に宗像氏との間に山警固に関して契約が結ばれた(宗像社家文書総目録/宗像郡誌中巻)。宝徳2年筥崎宮領の本家石清水八幡宮寺別当坊田中門跡は,神役立用110貫を進上した箱崎伊豆兵衛入道道悦に薬王寺村の知行をゆだねた(田村大宮司文書/筥崎宮史料)。箱崎道悦は以前預所をつとめた平為元の一族であろう。天正年間の「指出前之帳」には「薬王寺村」と見え,田27町余・分米341石余,畠11町余・分大豆58石余。
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(C)角川日本地名大辞典「旧地名」
JLogosID:7443768
最終更新日:2009-03-01