釜戸[中部地方] 角川日本地名大辞典

土岐(とき)川と佐々良木川の合流点付近に位置する。東南の屏風山塊と北の大湫丘陵にはさまれた小盆地。地名は古代東山道沿いの中切八幡神社境内の大岩が竈(かまど)形をなしていたことに由来すると伝える。国天然記念物のヒトツバタゴ（宿）・ハナノキ（神徳）の両自生地のほか裏山・天徳・上屋・川戸の縄文遺跡および円墳35基が大島・天徳・百田・洞田古墳群として分布している。古代では土岐郡駅家(うまや)郷，中世初頭では津田荘のうちであったとされ（瑞浪市史），古代東山道，中世鎌倉街道の沿道で「夫木和歌抄」に「散るたびにもえこがれても惜しけきは　かまど山なる緋桜の花」，「経信卿母集」に「思ひきやかまどの山に祈りして　よその煙となさんものとは」と「かまど山」を詠んだ歌が見える。
【釜戸郷(中世)】　南北朝期から見える郷名。
【釜戸郷(近世)】　江戸期〜明治８年の郷名。
【釜戸村(近代)】　明治8〜22年の土岐郡の村名。
【釜戸(近代)】　明治22年〜大正10年の余戸村の大字名。
【釜戸村(近代)】　大正10年〜昭和29年の土岐郡の自治体名。
【釜戸町(近代)】　昭和29年〜現在の瑞浪市の町名。