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宮古[東北地方]
角川日本地名大辞典

三陸海岸の中部,閉伊(へい)川河口部に位置し,東は宮古湾に臨む。地名の由来については,閉伊の政治・経済の中心地(地名の語源),豪族の住地(広辞苑),都物移入地(日本地名物語)などにちなむとする説,港の転訛(地名辞書)とする説など諸説あり,また,宮古市宮町鎮座の八幡宮にちなむ「宮処(みやこ)」かとも考えられる。地元に残る伝承では,ミヤコの地名は,平安中期の寛弘年間,神歌を詠じて阿波鳴戸の激浪を鎮める功績をたてた横山八幡宮の神官が,朝廷から賜ったものと伝えており(横山八幡宮記/下閉伊郡志),その時の神歌を刻んだ石碑が境内にある。江戸期には宮古湊・宮子浦などとも見えるが,「宮古と云ふは元和年中の頃より」(東奥古伝)で,古くは奥州湊(横山八幡宮記)・閉伊湊(豊間根家文書)などと称されていた。霊亀元年10月29日須賀君古麻比留が昆布献上のため朝廷に請い,郡家を建て,公民となることを許され,閉(へい)村を開いた(続日本紀)のは,当地域付近でのことと推定される(県史・北上市史)。中世には根城(ねじよう)館に拠った閉伊氏の治下にあった。
宮古村(近世)】 江戸期〜明治22年の村名。
宮古町(近代)】 明治22年〜昭和16年の自治体名。
宮古市(近代)】 昭和16年〜現在の自治体名。
宮古(近代)】 大正13年〜現在の大字名。