諫早[九州地方] 角川日本地名大辞典

中世には「いさはい」の読みもある（上井覚兼日記・フロイス日本史）。肥前半島南部の地峡部に位置し，北部は多良岳から南に向かって放射する丘陵群からなる。東の諫早湾（有明海）と西の大村湾で挟まれた中央部は沖積平地と干拓平野からなり，北から流れる本明川は城山のふもとを洗いながら東に転じて諫早湾に注ぐ。南部は高さ300m内外の山を含む低い丘陵地が広がり，南東方には島原半島，西方には長崎・西彼杵(にしそのぎ)両半島が接続し，南は橘湾に面している。地名の由来については，「宇佐大鏡」に伊佐早村，中世には伊佐早荘と見え，江戸期に佐賀藩諫早領２代領主諫早直孝が元和年間に嘉字に改めて諫早としたという。しかし，周辺部では寛永年間頃まで伊佐早荘と慣用した例がある。地内には建久元年銘の西郷の板碑，貞和７年銘の慶巌寺の名号石などがある。「延喜式」記載の船越駅は船越に比定されるが，駅家遺跡は不詳。
【伊佐早(中世)】　南北朝期から見える地名。
【諫早市中(近世)】　江戸期〜明治初年の町名。
【諫早村(近代)】　明治前期〜明治22年の村名。
【諫早町(近代)】　明治11〜22年の町名。
【諫早村(近代)】　明治22年〜大正12年の北高来郡の自治体名。
【諫早町(近代)】　明治22年〜昭和15年の北高来郡の自治体名。
【諫早市(近代)】　昭和15年〜現在の自治体名。