離人症の解釈

①自我障害（能動性障害）：内界意識離人症に対しては説明可能．その他については，外界意識の能動性，身体意識の能動性を論じる必要がある．②ＤＳＭ-ＩＶは解離性障害に含めている．知覚している部分と，それを意識している部分との「解離」と解釈するのだろう．③中安は，対象化性質の脱落体．（簡単にいえば，通常の認知は「素材＋対象化性質」で成立している．実体的意識性は素材が欠けて，対象化性質のみの場合．離人症は素材だけがあり，対象化性質が欠けている場合である）．④中安は，自己危急反応の症状スペクトラムとして，運動暴発，擬死反射，転換症，解離症，離人症をあげている．Ｐｕｒｉのテキストｐ.188の図10.6．パニックアタックを回避する方策としての離人症．⑤安永のファントム短縮説．⑥木村は共通感覚の障害説（知覚の能動性の喪失）．⑦脱相貌化説．（Ｐａｕｌｅｉｋｈｏｆｆ）などがある．

丸善 「こころの辞典」 JLogosID : 12020630