老年痴呆
senile dementia=アルツハイマー病
アルツハイマー病はもともとは初老期の痴呆をさしたが,65歳すぎに始まる老年期タイプの場合も病気の本質は同じであるということで,初老期も老年期も,アルツハイマー型の脳変性がある場合にアルツハイマー病または老年痴呆と呼んでいる.記憶障害,見当識障害,感情障害,性格変化,思考障害,行動異常などの痴呆症状が,血管性痴呆にくらべて直線的に進行し,全般的痴呆を呈するに至る.初期から病識に乏しい.ピック病ほどではないが早期からの人格障害があり,神経学的症候や脳局所症候が目立たないことが特徴である.脳萎縮や脳室拡大がCTやMRIで確認できる.治療には脳代謝改善薬などが用いられる.
| 丸善 「こころの辞典」 JLogosID : 12021290 |