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遺伝
【いでん】


「息子は母親似、娘は父親似」は、どこまで真実味があるのか?

子どもが生まれる真っ先飛び出す質問が、「どっちに似ているの?」である。実際に赤ちゃん目の前にしても、鼻が母親似ているとか、二重父親似だなどと話したりする。人類本来視覚的な動物であり、一目見ただけで、似ている似ていない選別をする能力があるといわれているので、この話で盛り上がるのもうなずけるが、遺伝的な要素から見ると、実際のところはどうなのだろう。よく「息子母親に似て、娘は父親似る」などといわれるが、これには遺伝的な根拠もあるらしい。人類男性の性染色体XY女性XXである。その子どもも、もちろんそれらの組み合わせで男か女かが決まる。つまり、父親XYからXを、母親XXからどちらか一つのXを受け継げばXX女の子になり、父親のYと母親のXを受け継げばXY男の子になる。従って男の子は、四つのうちで一つしかない父親Y染色体必ず持っている。と同時に母親X染色体一つ必ず引き継いでいる。この染色体のXとYには極端な情報量違いがあって、Yを一だとすると、Xは一〇〇。そのため、圧倒的にXの影響大きいことになるのだ。このことから、遺伝子的に、男の子母親から多大なる影響受けているということになる。一方女の子場合は、母親X染色体のどちらか一つと、父親一つしかないX染色体引き継いでいることになる。母親父親から同じXを一つずつなので、父親母親似る確率二分の一で同じか、というとそうではない。母親場合自身がXを二つ持っているため、実際の見かけ影響するXは二つのうちのどちらかということになる。これに反して、父親場合、Xを一つしか持っていないので、Xが必ず父親見かけ影響している。そのため、両方から一つずつ取った場合でも、女の子場合父親似る確率高いというわけだ。




東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820049