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缶詰
【かんづめ】


ナポレオンから賞金をもらった缶詰の発明者?

保存食の代表ともいえる缶詰食品を缶に詰め密封するため、常温長期間の保存にも耐えられるすぐれものである。この原理考え出したのはフランス人の食品加工業者、ニコラ・アペール。一八〇四年のことだった。調理済み食品詰めコルク軽く栓をした瓶を、湯煎加熱することで空気を抜き、冷めてくると密封されるという彼の案は、食品新しい貯蔵方法募集していたナポレオン率いるフランス政府の懸賞当選。アペールは賞金として一万二〇〇〇フランを与えられた。彼の考え出し瓶詰めは、当時ヨーロッパ各国戦いを繰り広げていたフランス軍の食糧として採用されて兵士士気高め、軍を率いるナポレオン大いに満足させたという。その後一八一〇年にイギリスピーターデュランが、現在のようなブリキ缶に詰める缶詰発明一八一年には、缶詰は海を越えアメリカ渡り、その製造本格化した。一八一年南北戦争がはじまると、缶詰は軍の食糧となり、需要一気に拡大缶詰産業アメリカ近代的食品工業として発展することとなった。一方缶詰欠かせない缶切り発明されたのは一八五八年のアメリカ。ではそれまではどうやって缶詰を開けていたのかというと、槌(ハンマー)や鑿を使って時間をかけて開けるか、銃剣ナイフで無理やり開けるかしかなかった。戦場では銃で撃って開けることもあったというが、そんなことをしたら、せっかくの食糧もこっぱ微塵に飛び散ってしまったのではないだろうか。ちなみに日本初の缶詰は、一八七一(明治四)年に松田雅典という人物が、フランス指導のもと長崎でつくった、イワシの油漬け缶詰といわれる。




東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820204