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高利貸
【こうりがし】


「アイスクリーム」と呼ばれた明治時代の高利貸

日本初のアイスクリームは、一八六九(明治二)年五月九日町田房蔵という人が横浜馬車道通り開いた氷水屋」で販売した「あいすくりん」であるといわれている。これを記念して日本アイスクリーム協会は、毎年五月九日を「アイスクリームの日」と定めている。ところで、高利貸のことをアイスクリーム呼んでいたことはご存知だろうか。高利貸(こうりがし)=氷菓子だからであるが、明治時代にあった高利貸珍聞がここにある。とある高利貸を営んでいた中根某は、同区に住む清太郎に一〇〇円貸したが、元金はおろか利子も払わない。そこで、貸し主中根利息がわりに自分の妾、島海カネを清太郎に預かってくれるように談判した。清太郎は、借金も返せないのに人を養うのは困るけれど、ならば金を返せ、利子を払えといわれるので渋々引き受けた。この中根という男には策略があった。それは妾が妊娠していたので、出産費用を清太郎に払わせることだった。やがて妾は清太郎宅で出産。そこで清太郎費用を請求すると、「妾は利子代わりに預けたのだから、そっちの負担当然だ」と相手にしない。妾の名前がカネ、利子を生むのははじめからわかってるだろうというわけだ。そして、わずかな金も出さない中根腹を立てたカネは、「私が清太郎の女になってもヨゴザンスカ」と詰め寄ったが、中根はまったく聞く耳を持たない。カネはついに赤ん坊を抱き、中根家に押しかけたが留守赤ん坊をぶん投げて帰った。中根今度赤ん坊をカネの兄の家へ投げこんだから大悶着になり、ついには警察沙汰にまで発展したそうだ(『雑学明治珍聞録』西沢爽(文藝春秋)による)。そういえば、アイスクリームとは美味なるものだが、食べた後には冷たさが残り、すぐに消えていく。まさに高利貸同じである。




東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820304