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シンガポール①
【しんがぽーる】


世界で一番速く歩く国民は?

大阪の人はせっかちなので東京人に比べ歩くスピード速いなどといわれたりするが、では、世界的に見て歩くスピード速いのは、いったいどこの国の人なのだろうか。イギリスハートフォードシャー大学のチャード・ワイズマン教授が二〇〇七年に発表したところによると、最も速かったのはシンガポールコペンハーゲンマドリード三都市だ。なんとなく速そうなイメージがある都市は、実際はそうでもなく、ニューヨークは八位、ロンドン一二位、東京一六位だったという。ワイズマン教授は、各都市の成人住民三五人に六〇フィート(約一八メートル)の距離歩いてもらい、平均所要時間を調査した。アメリカカリフォルニア大学教授が一〇年前に調べ結果比較してみると、シンガポールは約三〇パーセント中国広州は約二〇パーセント速くなっていたことがわかったという。シンガポールマレー半島南端、ほぼ赤道直下位置する共和国で、合計六〇以上の島からなる島国だ。主島シンガポール島でも東西四二キロ南北二三キロしかない。そんなにせかせか歩いたらすぐに島の反対側にたどりついてしまうのではと心配になるが、近年、めざましい経済発展を遂げていることと無関係ではないだろう。もともと工業力をいれていたシンガポール産業は、周辺諸国工業化進むと、情報産業金融センターとしての機能強めるようになった。情報ビジネスでは、一分一秒を惜しむ熾し烈れつな争いが繰り広げられ、少しでも早く有利な情報を手に入れた者が莫大な富を手にする可能性もある。ビジネスチャンスを逃すまいと、シンガポール人々忙しく歩き回っているというわけだ。ちなみにワイズマン教授調査によると、最もゆっくりだったのは、アフリカ南東部の内陸マラウイ南部都市ブランタイアと、中東にあるバーレーン首都マナーマだったそうだ。マラウイのほうはゆったりとしたアフリカ時間をバーレーンのほうは原油資源によって世界でも一、二を争う裕福な国だから、その悠々自適さを想像させられる。




東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820439