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浅間神社
【せんげんじんじゃ】


富士山の頂上は、浅間神社の私有地である

富士山所有者は、当然「国」や「県」だろうと考えるのが自然だろう。実際明治から昭和のはじめにかけては国有地であった。しかし、それまでは富士山本宮浅間大社古来境内として管理していたのだ。富士山本宮浅間大社は、全国にある浅間神社の総本宮静岡県富士宮市にある。本殿拝殿楼門徳川家康寄進で、ご神体富士山そのものという神社だ。戦後国から宗教活動必要な土地が富士山本宮浅間大社返還されたのだが、返還された土地が一部のみだったため、一九五七(昭和三二)年に大社側が国を相手に提訴した。そして一九七四(昭和四九)年、最高裁で「神体山として信仰対象とされている山岳などは、宗教活動必要なものに当たる」と判断され、大社側が勝訴した。しかしその後静岡県山梨県の間の山頂付近での境界線問題未解決だったため、「土地の登記必要な土地の表示がない」という理由で国から大社への返還遅れ遅れた境界線問題の解決を待たず、ようやく無償譲渡という形で返還されたのは、最高裁判決から三〇年も経過した二〇〇四(平成一六)年だった。これによって、八合目より上の富士山測候所登山道、県道富士上吉田線などを除く約三八五万平方メートル富士山本宮浅間大社境内という名の「私有地」になったのだった。




東京書籍
「雑学大全2」
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