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ライト兄弟
【らいときょうだい】


初めて空を飛んだのは、兄か弟か?

人類史上初めて空を飛んだのは? と聞かれると、「ライト兄弟」と誰も答えるだろうが、実際に二人同時に乗っていたわけではなく、最初につくっていたのは、もちろん一人乗り飛行機だった。最初に乗っていたは、弟のオービルライトであった。弟のほうが兄より冒険的な性格で、兄ウィルバーは弟に初飛行を譲ったといわれている。アメリカ自動車製造販売業をしていた兄弟が、空を飛ぶという夢をかけて動き出したのは一八九九年。幼少の頃から模型グライダーゴム動力ライトプレーンを父と飛ばすのが大好きだった兄弟は、オットーリリエンタールという人物グライダー成功したことと、彼の死のニュースを耳にして、これを次代商品にしたいと興味を持ったという。その当時、三〇代の兄弟は、そこから飛行機づくりに情熱を燃やしていく。スミソニアン博物館気象庁などへ飛行機づくりの情熱手紙にして送り博物館からはリリエンタール論文を、気象庁からは「いつも強い風が吹いているが、やわらかい砂地小高い丘のあるところ」を推薦してもらった(『大空への挑戦 プロペラ機編』鳥養鶴雄(グランプリ出版)による)。そして一九〇〇年の秋には、試作品の一号グライダー完成し、気象庁から推薦された候補地のなかからキティホークを選び、飛行試験がはじまった。彼ら実験重ね改良を続け、一九二年には、最終形態となる三号グライダー完成する。後はエンジンを積むだけだ。既存エンジンメーカーでは、彼らの納得するものをつくり出すところはなかったため、機械技師テイラー協力得て結局エンジン自分たちで設計してつくり上げた。一九〇三年九月五日に、ついにその機体がキティホーク運び込まれ、いよいよ一二一七日歴史的瞬間、「ライト兄弟が空を飛んだ」時がやってきたのであった。




東京書籍
「雑学大全2」
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